2
9
監
第
7
5
号
平成29年8月3日
つくば市長
五十嵐
立青
様
つく ば市 監査 委員
萩
谷
孝
男
つく ば市 監査 委員
宮
本
孝
男
つく ば市 監査 委員
金
子
和
雄
平成28年度つくば市水道事業会計決算審査意見について
平成28年度つくば市水道事業会計決算審査意見
第1 審査の概要 1 審査の対象
平成28年度つくば市水道事業会計決算
平成28年度水道事業会計決算に関する証書類,事業報告書及びその他の決算附属書 類
2 審査の期間
平成29年6月21日から平成29年8月1日まで
3 審査の方法
審査に当たっては,決算書類及び証書類,事業報告書その他の決算附属書類が適法 に作成され,かつ,経営成績及び財政状態を適正に表示しているかどうかを検証する ため,会計帳票,証拠書類との照合等のほか,関係職員の説明を求め実施した。
また,経営内容を把握するため,計数の分析を行い,経済性の発揮及び公共性の確 保を主眼として考察した。
第2 審査の結果
審査に付された決算書類及び証書類,事業報告書その他の決算附属書類は,地方公 営企業法及び関係法令の規定に準拠して作成されており,おおむね適正であった。
1 業務実績
当年度の業務実績を前年度と比較すると,次のとおりである。
項 目 単 位 2 8 年 度 2 7 年 度
対 前 年 度 比 率 増 減 増 減 率 ( % ) 給 水 区 域 内 人 口 人 2 3 0 , 9 2 6 2 2 7 , 9 1 6 3 , 0 1 0 1 . 3 給 水 人 口 人 1 9 6 , 1 0 7 1 9 2 , 2 8 1 3 , 8 2 6 2 . 0
普 及 率 % 8 4 . 9 8 4 . 4 0 . 5 -
給 水 戸 数 戸 8 8 , 1 3 6 8 5 , 0 6 5 3 , 0 7 1 3 . 6 配 水 能 力 ㎥ 1 0 3 , 4 0 0 1 0 3 , 4 0 0 0 0 . 0 導 ・ 送 ・ 配 水 管 延 長 ㎞ 1 , 3 6 1 . 6 1 , 3 4 3 . 5 1 8 . 1 1 . 3 年 間 総 配 水 量 ㎥ 2 2 , 5 6 2 , 1 7 3 2 2 , 0 5 7 , 2 4 6 5 0 4 , 9 2 7 2 . 3 県 水 受 水 量 ㎥ 2 2 , 4 2 8 , 5 5 0 2 1 , 8 9 2 , 4 8 0 5 3 6 , 0 7 0 2 . 4 自 己 水 源 ㎥ 1 3 3 , 6 2 3 1 6 4 , 7 6 6 △ 3 1 , 1 4 3 △ 1 8 . 9 年 間 総 有 収 水 量 ㎥ 2 0 , 7 2 3 , 3 8 9 2 0 , 3 1 9 , 0 7 7 4 0 4 , 3 1 2 2 . 0 有 収 率 % 9 1 . 9 9 2 . 1 △ 0 . 2 - 一 日 平 均 配 水 量 ㎥ 6 1 , 8 1 4 6 0 , 2 6 6 1 , 5 4 8 2 . 6 一 日 最 大 配 水 量 ㎥ 6 8 , 7 7 8 6 7 , 4 6 2 1 , 3 1 6 2 . 0
総 職 員 数
人
3 3 3 4 △ 1 △ 2 . 9 う ち 損 益 勘 定 所 属 職 員 数 2 9 2 9 0 0 . 0
※有収水量とは,配水量のうち料金収入の見込まれる水量を表す。
※有収率とは,年間総配水量に対する年間総有収水量の割合を示す。水道事業の施設 効率を判断する指標であり,数値が大きいほど効率的である。
当年度末の給水戸数は88,136戸で,前年度に比べ3,071戸(3.6%)増加し,給水人口 は196,107人で,前年度に比べ3,826人(2.0%)増加している。
2 予算執行状況
予算額に対する決算額の割合及び前年度との比較は,次のとおりである。 (1) 収益的収支
ア 収益的収入
(単位:千円)
※この数値は,消費税込みである。
予算現額4,931,635千円に対して決算額は5,001,795千円(執行率101.4%)で,予 算現額に対して70,160千円の増となっている。
決算額は前年度に比べ110,505千円(2.3%)増加している。この主な要因は,水道 料金が70,854千円(2.0%)と加入金が52,993千円(22.4%)増加したためである。
執行率は前年度を2.5ポイント上回っている。
イ 収益的支出
(単位:千円)
※この数値は,消費税込みである。
予算現額4,991,168千円に対して決算額は4,916,623千円(執行率98.5%)で,不用 額は74,545千円となっている。
決算額は前年度に比べ1,658千円(0.0%)増加している。この主な要因は,固定資 産 の 除 却 に 伴 う 資 産 減 耗 費 が 3 6 , 2 5 0 千 円 ( 9 9 . 5 % ) , 人 員 減 に 伴 い 職 員 給 与 費 が 28年度 27年度 28年度 27年度 28年度 27年度 営 業 費 用 4,618,874 4,667,989 4,563,904 4,536,329 98.8 97.2
営 業 外 費 用 363,838 370,334 350,725 370,334 96.4 100.0
特 別 損 失 3,056 9,507 1,994 8,302 65.2 87.3
予 備 費 5,400 10,800 0 0 0.0 0.0
合 計 4,991,168 5,058,630 4,916,623 4,914,965 98.5 97.2 区 分
予算現額 決算額 執行率(%)
28年度 27年度 28年度 27年度 28年度 27年度 営 業 収 益 4,031,391 4,042,169 4,100,485 3,985,420 101.7 98.6
営 業 外 収 益 900,244 905,720 901,310 905,870 100.1 100.0
合 計 4,931,635 4,947,889 5,001,795 4,891,290 101.4 98.9 区 分
20,463千円(7.3%)減少したものの,県水受水量の増加に伴う受水費が26,053千円 (1. 2%),浄水場 ・配水場 の機器故 障及び漏 水復旧工 事などに 伴う修繕 費が18, 086 千円(14.3%)増加したためである。
不用額の主なものは,配水及び給水費の動力費,業務費の通信運搬費,支払利息及 び企業債取扱諸費の企業債利息などである。
執行率は前年度を1.3ポイント上回っている。
(2) 資本的収支
ア 資本的収入
(単位:千円)
※この数値は,消費税込みである。
予算現額1,019,247千円に対して決算額は758,593千円(執行率74.4%)で,予算現 額に対して260,654千円の減となっている。
決算額は前年度に比べ227,726千円(42.9%)増加している。この主な要因は,前 年 度 同 意 債 の 繰 越 分 を 含 め た 建 設 改 良 の た め の 企 業 債 が 1 6 1 , 8 0 0 千 円 ( 6 5 . 0 % ) , つ く ば エ ク ス プ レ ス 沿 線 開 発 地 区 の 事 業 量 の 増 加 に 伴 う 工 事 負 担 金 が 3 9 , 2 4 5 千 円 (252.7%),国庫補助金が26,855千円(21.5%)増加したためである。
執行率は前年度を5.1ポイント上回っている。
28年度 27年度 28年度 27年度 28年度 27年度 負 担 金 252,235 16,901 54,776 15,530 21.7 91.9
企 業 債 462,600 479,800 410,900 249,100 88.8 51.9
国 庫 補 助 金 158,741 127,400 151,941 125,086 95.7 98.2
分 担 金 145,671 125,458 140,976 123,628 96.8 98.5
固定資産売却代金 0 16,495 0 17,523 - 106.2
合 計 1,019,247 766,054 758,593 530,867 74.4 69.3 区 分
イ 資本的支出
(単位:千円)
※この数値は,消費税込みである。
予算現額2,201,288千円に対して決算額は1,932,286千円(執行率87.8%)となって いる。この差額269,002千円のうち,202,033千円は
翌年度への
予算繰越であり,主 な理由は,入札不調や,つくばエクスプレス沿線開発地区の造成工事の遅れ及び現場 の状況により,工事が遅延した繰越分となっている。残り66,969千円が不用額となっ ている。決算額は前年度に比べ114,367千円(6.3%)増加している。この主な要因は,施設 改良費のうち,施設整備費の委託費(繰越含む)が54,410千円(65.6%)減少したも のの,施設整備費の工事請負費が174,960千円(56.8%)増加したためである。
執行率は前年度を0.2ポイント上回っている。
また,資本的収支において不足する額は,過年度分損益勘定留保資金,当年度分消 費税及び地方消費税資本的収支調整額で補填している。
不足額及び補填内訳は次のとおりである。
(単位:千円)
金 額
資本的収入額 (ア) 758,593
資本的支出額 (イ) 1,932,286
不足額 (ア)-(イ) △ 1,173,693
過年度分損益勘定留保資金 1,139,505
当年度分消費税及び地方消費税資本的収支調整額 34,188
補填
内訳
区 分
28年度 27年度 28年度 27年度 28年度 27年度 建 設 改 良 費 1,102,640 992,479 839,038 745,247 76.1 75.1
企 業 債 償 還 金 1,093,248 1,072,673 1,093,248 1,072,672 100.0 100.0
予 備 費 5,400 10,800 0 0 0.0 0.0
合 計 2,201,288 2,075,952 1,932,286 1,817,919 87.8 87.6 区 分
3 経営成績
総収益4,700,988千円に対して総費用は4,650,043千円で,差引純利益は50,945千円と な り,赤 字 か ら 黒 字 に 転 じ た 。 前 年 度 に お け る 純 損 失 5 5 , 6 2 0 千 円 と 比 較 す る と , 106,565千円赤字が減少している。
給水原価と供給単価についてみると,有収水量1㎥当たりの給水原価は201.1円,供 給単価は163.5円で,給水原価が37.6円上回っている。
(単位:千円,%)
※この数値は,消費税抜きである。
(1) 収益の状況
総収益は,前年度に比べ102,149千円(2.2%)増加しており,収益の構成をみると, 営業収益が80.8%,営業外収益が19.2%となっている。
ア 営業収益
営業収益は3,800,388千円で,前年度に比べ106,740千円(2.9%)増加している。 主な要因は,収益の根幹である給水収益(水道料金収入)が65,615千円(2.0%),
増 減 増減率 4,700,988 4,598,839 102,149 2.2 1 営業収益 3,800,388 3,693,648 106,740 2.9 (1) 給水収益 3,388,247 3,322,632 65,615 2.0 (2) その他の営業収益 412,141 371,016 41,125 11.1 2 営業外収益 900,600 905,191 △ 4,591 △ 0.5 (1) 受取利息及び配当金 988 1,537 △ 549 △ 35.7 (2) 他会計補助金 397,552 397,552 0 0.0 (3) 長期前受金戻入 481,564 485,862 △ 4,298 △ 0.9 (4) 雑収益 20,496 20,240 256 1.3 4,650,043 4,654,459 △ 4,416 △ 0.1 4,347,167 4,325,263 21,904 0.5 (1) 原水及び浄水費 2,106,419 2,079,289 27,130 1.3 (2) 配水及び給水費 502,517 454,923 47,594 10.5 (3) 業務費 235,473 256,009 △ 20,536 △ 8.0 (4) 総係費 127,764 132,872 △ 5,108 △ 3.8 (5) 減価償却費 1,374,830 1,365,756 9,074 0.7 (6) 資産消耗費 164 36,414 △ 36,250 △ 99.5 300,881 320,894 △ 20,013 △ 6.2 (1) 支払利息及び企業債取扱諸費 300,161 319,977 △ 19,816 △ 6.2 (2) 雑支出 720 917 △ 197 △ 21.5 1,995 8,302 △ 6,307 △ 76.0 (1) 過年度損益修正損 1,995 2,438 △ 443 △ 18.2 (2) 固定資産売却損 0 5,864 △ 5,864 皆減 △ 546,779 △ 631,614 84,835 △ 13.4 52,940 △ 47,318 100,258 △ 211.9 50,945 △ 55,620 106,565 △ 191.6 経常利益(△損失)
当年度純利益(△損失) 総収益
総費用
1 営業費用
2 営業外費用
3 特別損失
営業利益(△損失)
対前年度比率 28年度 27年度
加入金が49,070千円(22.4%)増加したためである。
イ 営業外収益
営業外収益は900,600千円で,前年度に比べ4,591千円(0.5%)減少している。 主な要因は,春日庁舎の賃貸料の雑収益が675千円(3.8%)増加しているものの, 固定資産減価償却及び除却に伴う長期前受金戻入が4,298千円(0.9%)減少したた めである。
(2) 費用の状況
総費用は,前年度に比べ4,416千円(0.1%)減少している。費用の構成をみると, 営業費用が93.5%,営業外費用が6.4%,特別損失が0.1%となっている。
ア 営業費用
営業費用は4,347,167千円で,前年度に比べ21,904千円(0.5%)増加している。 増加した主なものは,配水及び給水費502,517千円で,これは主に,修繕費が 33,725千円(69.7%)増加したためである。
イ 営業外費用
営業外費用は300,881千円で,前年度に比べ20,013千円(6.2%)減少している。 減少した主なものは,支払利息及び企業債取扱諸費300,161千円で,これは主に, 企業債の支払利息が19,816千円(6.2%)減少したためである。
ウ 特別損失
特別損失は1,995千円で,前年度に比べ6,307千円(76.0%)減少している。 主な要因は,固定資産売却損の皆減により,5,864千円減少したためである。
(単位:千円,%)
※決算附属書類の収益費用明細書より算出した数値である。 ※この数値は,消費税抜きである。
(3) 損益の状況
当年度は,総収益に含まれる一般会計からの企業債利子償還負担分である他会計補 助金397,552千円を除いた独立採算ベースでの損益では,346,607千円の実質赤字額と なっている。
また,経常利益は52,940千円で,これと特別損失1,995千円を合計した額50,945千 円が当年度の純利益となっており,前年度純損失55,620千円と比較して106,565千円 (191.6%)赤字が減少している。
最近5か年の収益と費用を比較すると次のとおりである。
金 額 構成比 金 額 構成比 増 減 増減率
職 員 給 与 費 258,656 5.6 279,103 6.0 △ 20,447 △ 7.3 支 払 利 息 300,161 6.4 319,977 6.9 △ 19,816 △ 6.2 減 価 償 却 費 1,374,830 29.6 1,365,756 29.3 9,074 0.7 動 力 費 104,783 2.2 118,673 2.5 △ 13,890 △ 11.7 光 熱 水 費 271 0.1 293 0.1 △ 22 △ 7.5 通 信 運 搬 費 18,457 0.4 17,841 0.4 616 3.5 修 繕 費 134,198 2.9 117,451 2.5 16,747 14.3 薬 品 費 6,492 0.1 7,539 0.2 △ 1,047 △ 13.9 委 託 料 282,715 6.1 248,779 5.3 33,936 13.6 受 水 費 2,092,885 45.0 2,068,762 44.4 24,123 1.2 そ の 他 76,595 1.6 110,285 2.4 △ 33,690 △ 30.5 計 4,650,043 100.0 4,654,459 100.0 △ 4,416 △ 0.1
対前年度比率 項 目
4 財政状態
当年度末における財政状態を前年度と比較すると,次のとおりである。
(単位:千円,%)
28年度 27年度 増減額 増減率 1 固定資産 34,232,143 34,767,508 △ 535,365 △ 1.5
(1) 有形固定資産 34,229,409 34,764,661 △ 535,252 △ 1.5 ア 土地 2,126,333 2,126,333 0 0.0 イ 建物 1,703,783 1,750,868 △ 47,085 △ 2.7 ウ 構築物 28,398,145 28,663,210 △ 265,065 △ 0.9 エ 機械及び装置 1,997,647 2,220,600 △ 222,953 △ 10.0
オ 車両運搬具 718 718 0 0.0
カ 工具機器及び備品 2,783 2,932 △ 149 △ 5.1 (2) 無形固定資産 2,734 2,847 △ 113 △ 4.0 ア 施設利用権 2,496 2,609 △ 113 △ 4.3
イ 電話加入権 238 238 0 0.0
2 流動資産 1,469,619 1,693,026 △ 223,407 △ 13.2 (1) 現金預金 836,428 1,046,610 △ 210,182 △ 20.1 (2) 未収金 526,161 533,536 △ 7,375 △ 1.4 (3) 貯蔵品 35,337 35,144 193 0.5
(4) 前払費用 1,273 1,266 7 0.6
資 産 の 部 区 分
(単位:百万円)
3,800 4,000 4,200 4,400 4,600 4,800
24年度 25年度 26年度 27年度 28年度
収益及び費用の推移
総 収 益 総 費 用
(注)この数値は,消費税抜きである。
(1) 資産
資産総額は35,701,762千円で,その構成は固定資産34,232,143千円(95.9%)及び 流動資産1,469,619千円(4.1%)である。また,資産総額は前年度に比べ,758,772
28年度 27年度 増減 増減率
3 固定負債 13,606,506 14,296,621 △ 690,115 △ 4.8
(1) 企業債 13,539,947 14,230,062 △ 690,115 △ 4.8
(2) 引当金 66,559 66,559 0 0.0
4 流動負債 1,544,104 1,564,615 △ 20,511 △ 1.3
(1) 企業債 1,101,015 1,093,248 7,767 0.7
(2) 未払金 364,195 412,602 △ 48,407 △ 11.7
(3) 未払金前受金 22,590 0 22,590 皆増
(4) 預り有価証券 300 300 0 0.0
(5) 引当金 19,303 26,660 △ 7,357 △ 27.6
(6) その他流動負債 36,701 31,805 4,896 15.4
5 繰延収益 11,289,534 11,388,625 △ 99,091 △ 0.9
(1) 長期前受金 22,919,144 22,539,242 379,902 1.7
(2) 長期前受金収益化累計額 △ 11,629,610 △ 11,150,617 △ 478,993 4.3
26,440,144 27,249,861 △ 809,717 △ 3.0
6 資本金 7,091,835 4,760,332 2,331,503 49.0
(1) 自己資本金 7,091,835 4,760,332 2,331,503 49.0
ア 固有資本金 325,741 325,741 0 0.0
イ 繰入資本金 1,189,755 1,189,755 0 0.0
ウ 組入資本金 5,576,339 3,244,836 2,331,503 71.9
7 剰余金 2,169,783 4,450,341 △ 2,280,558 △ 51.2
(1) 資本剰余金 2,118,838 2,118,838 0 0.0
ア 受贈財産評価額 110,718 110,718 0 0.0
イ 国庫補助金 263,972 263,972 0 0.0
ウ 工事負担金 1,611,616 1,611,616 0 0.0
エ その他資本剰余金 132,532 132,532 0 0.0
(2) 利益剰余金 50,945 2,331,503 △ 2,280,558 △ 97.8
ア 当年度未処分利益剰余金 50,945 2,331,503 △ 2,280,558 △ 97.8
9,261,618 9,210,673 50,945 0.6
35,701,762 36,460,534 △ 758,772 △ 2.1 資 本 合 計
負債・資本合計
負 債 の 部
区 分
負 債 合 計
千円(2.1%)減少している。 ア 固定資産
前年度末固定資産は34,767,508千円で,当年度取得額を加え,減価償却額及び固 定資産除却費を減じると,当年度末は34,232,143千円となり,535,365千円(1.5%) 減 少し てい る。 また ,構 築物 等の有 形固 定資 産は 34 ,2 29, 40 9千円で,資産合計 の 95.9%(前年度95.3%)を占めている。
イ 流動資産
流動資産の主なものは,現金及び預金836,428千円,未収金526,161千円で,前年 度 に 比 べ 2 2 3 , 4 0 7 千 円 ( 1 3 . 2 % ) 減 少 し て い る 。 こ の 主 な 要 因 は , 現 金 預 金 が 210,182千円(20.1%)減少したことによるものである。
(2) 負債・資本
負債・資本の総額は35,701,762千円で,その構成は固定負債13,606,506千円(38.1 %),流動負債1,544,104千円(4.3%),繰延収益11,289,534千円(31.6%),資本金 7,091,835千円(19.9%),剰余金2,169,783千円(6.1%)である。
負債総額は26,440,144千円で,前年度に比べ809,717円(3.0%)減少している。 ア 固定負債
固 定 負 債 の 主 な も の は , 返 済 期 限 が 1 年 以 降 に 到 来 す る 企 業 債 償 還 元 金 13,539,947千円である。固定負債は前年度に比べ690,115千円(4.8%)減少してい る。
イ 流動負債
流 動 負 債 の 主 な も の は , 返 済 期 限 が 1 年 以 内 に 到 来 す る 企 業 債 償 還 元 金 1,101,015千円である。流動負債は前年度に比べ20,511千円(1.3%)減少している。
ウ 資本金
資本金は,前年度の利益余剰金2,331,503千円を組み入れたことで,前年度に比 べ2,331,503千円(49.0%)増加している。
5 財政状態に関する主な経営指標
短期債務に対してこれに応ずべき流動資産が十分であるかを示す流動比率は,当年度 は95.2%と前年度より13.0ポイント低下している。また,総資本に対する自己資本の占 める割合を示す自己資本構成比率は,当年度は57.6%と前年度より1.1ポイント改善し ている。
6 資金収支(キャッシュ・フロー)の状況
当年度の業務活動によるキャッシュ・フローは,969,433千円の資金流入で,前年度 に比べ51,053千円増加している。これは主に,当年度純利益の増加によるものである。 当年度の投資活動によるキャッシュ・フローは,497,267千円の資金流出で,前年度 に比べ34,715千円マイナス幅が増加している。これは主に,固定資産の取得による支出 の増加によるものである。
当年度の財務活動によるキャッシュ・フローは,682,348千円の資金流出で,これは, 企業債の償還による支出が企業債による資金調達額を上回ったことによるものである。 また,前年度に比べ141,225千円マイナス幅が減少している。
その結果,当年度における資金減少額は210,182千円で,資金期末残高は836,428千円 となっている。
キャッシュ・フロー計算書
(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)
(単位:千円)
28年度 27年度 増減
当年度純利益(純損失) 50,945 △ 55,620 106,565
減価償却費 1,374,830 1,365,756 9,074
固定資産除去費 164 36,414 △ 36,250
固定資産売却損益 0 5,864 △ 5,864
貸倒引当金の増減額 7 △ 161 168
長期前受金戻入額 △ 481,564 △ 485,862 4,298
受取利息及び受取配当金 △ 988 △ 1,537 549
支払利息 300,161 319,977 △ 19,816
未収金の増減額 17,228 80,178 △ 62,950
未払金の増減額 8,774 △ 27,271 36,045
たな卸資産の増減額 △ 193 △ 148 △ 45
引当金の増減額 △ 5,648 △ 2,005 △ 3,643
前払費用の増減額 △ 6 △ 42 36
その他の流動負債増減額 4,896 1,277 3,619
小 計 1,268,606 1,236,820 31,786
利息及び配当金の受取額 988 1,537 △ 549
利息の支払額 △ 300,161 △ 319,977 19,816
業務活動によるキャッシュ・フロー 969,433 918,380 51,053
有形固定資産の取得による支出 △ 832,309 △ 750,266 △ 82,043
有形固定資産の売却による収入 0 17,040 △ 17,040
国庫補助金等による収入 335,042 270,674 64,368
投資活動によるキャッシュ・フロー △ 497,267 △ 462,552 △ 34,715
建設改良費等の財源に充てるための企業債による収入 410,900 249,100 161,800
建設改良費等の財源に充てるための企業債の償還による支出 △ 1,093,248 △ 1,072,673 △ 20,575
財務活動によるキャシュ・フロー △ 682,348 △ 823,573 141,225
資金増加額(又は減少額) △ 210,182 △ 367,745 157,563
資金期首残高 1,046,610 1,414,355 △ 367,745
資金期末残高 836,428 1,046,610 △ 210,182
1 業務活動によるキャッシュ・フロー 区 分
2 投資活動によるキャッシュ・フロー
7 むすび
(1) 業務実績について
給水人口は196,107人で,前年度に比べ3,826人(2.0%)増加している。 普及率は84.9%で,前年度に比べ0.5ポイント上回っている。
年間総配水量は22,562,173㎥で,前年度に比べ504,927㎥(2.3%)の増,年間総有 収水量は20,723,389㎥で,404,312㎥(2.0%)増加しており,その結果,根幹収入で ある水道料金収入も増加している。
有収率は91.9%で,前年度に比べ0.2ポイント減と僅かに下回った。
(2) 経営成績について
当年度を税抜き収支でみると,総収益4,700,988千円に対し,総費用は4,650,043千 円で,差引き50,945千円の純利益(黒字)となった。
前年度実績では55,620千円の損失であったが,当年度は資産減耗費や職員給与費等 の費用が減少し,給水収益及び加入金が増加したため黒字に転じている。
(3) 財政状態について
当年度末の資産合計は35,701,762千円,負債合計は26,440,144千円であり,資本合 計(純資産額)は9,261,618千円となっている。資産及び負債は前年度に比べいずれ も減少しているが,純資産額は前年度に比べ50,945千円増加しており,自己資本(純 資産)比率も前年度より僅かに改善が見られ,引き続き50%台後半を維持している。
また,企業債償還額が同借入額を上回った結果,同未償還残高は漸減している。
(4) 資金状況について
業務活動により969,433千円の資金が増加したものの,投資活動により497,267千円, 財務活動により682,348千円の資金が減少している。
その結果,当年度の期末の資金は836,428千円となり,期首と比較して210,182千円 減少している。また,資金期末残高は,貸借対照表の現金預金の額と一致している。
(5) 建設改良事業について
当年度の建設改良費の決算額は,839,038千円となっている。予算額に対する執行 率は76.1%であり,地方公営企業法第26条の規定による繰越額が202,033千円生じ, 不用額は61,569千円となっている。
設替え工事などを実施している。
(6) 役割と方向性について
つくば市の水道事業は,つくばエクスプレス沿線関連開発地区や水道未整備地区へ の給水を目的とする創設事業を推進し,特に,沿線開発地区の給水戸数は,予定量に達 するなど順調に推移しており,水道事業全体の年度末給水普及率は約84.9%,約196千 人の給水人口となっている。
しかしながら,事業全体の経営状況は依然として厳しく,当年度においても職員数 や経費の削減,さらに加入の促進を図るとともに,漏水頻度の高い老朽配水管の布設 替えにより有収率を向上させるなど,引き続き経営改善に努めた。
当年度の年間総配水量は,沿線開発等における戸建て住宅や集合住宅等の小口需要 者が増加したことと,研究機関や企業等の大口需要者において,使用水量が僅かに増 加したことにより前年度を上回った。しかしながら,小口需要者においては「節水意 識の浸透」や,節水型住宅設備導入などの「エネルギー排出削減意識の高まり」が見 られ,需要者数の増加が水需要の大幅な増加にはつながっていない状況である。
将来的には,保有資産の老朽化に伴う大幅な施設更新期の到来や,給水区域内人口 の減少等に伴う水道料金収入の減少などにより,経営環境が一段と厳しい状況も予測 されることから,長期的な視点に立った経営健全化の取組が求められる。
また,「新地方公営企業会計制度」の適用により,地方公営企業の特性を踏まえつ つ,水道事業が民間企業会計とほぼ同一の会計基準で会計処理・決算が行われ,経営 判断に必要な損益の認識や資産・負債の把握等を正確に行うことが可能となった。こ のことにより,これまで以上に財務情報の透明性の確保に努めるとともに,今後の経 営戦略に活用していくことが望まれる。